エキスパート管理栄養士養成シリーズ
栄養教育論(第2版)

問題の解答と解説

1章 栄養教育の概念

  • 1 解答(d)
    • d. 1998(平成10)年ではなく2000(平成12)年
  • 2 解答(2)
    • b. 国民の健康づくり運動の推進により,健康増進の基礎に栄養,運動,休養の三要素がかかげられ,栄養士も食生活面の改善事業の推進だけでなく,健康の維持・増進につながる運動,休養についても栄養教育・指導を担うようになった.
    • d. 個々人への指導は難しいが,グループダイナミックス(集団力学・協力・競争・相互啓発などのかたちでお互い影響し合うこと)による効果が期待できる.
    • e. 発症原因には,外部環境要因もかかわる.また栄養指導・教育は生活習慣の全般的事項にわたって行われるべきものである.
  • 3 解答(5)
    • a. 栄養教育は,調理師でなく教員などと連携して行う.
    • b. 患者情報の収集は,栄養士がほかの医療スタッフと連携して行う.
    • c. 個人差が大きいため,できる限り個人の特性に応じた対応が必要である.
    • d. 生活習慣病予防は重要であるが,住民ニーズに応じた教育も必要である.
    • e. 事業所では,ほかの職種と連携して健診結果をもとに食生活面での個人指導も行う.
  • 4解答(2)
    • a. 健康増進法でなく,栄養士法に示されている.
    • d. 栄養摂取に関する援助についての記述はある.
    • e. 栄養士法でなく,健康増進法に示されている.

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2章 食行動の変容と栄養教育

  • 1 解答(2)
    • a. 栄養について関心があるだけでは,必ずしも自己の食行動に結びつかない.
    • d. 人間の行動科学は,医学ではなく,心理学,社会学,文化人類学が基礎となる.
    • e. アメリカにおける健康教育の行動科学的研究は1980年以後ではなく,1950年代には始まっていた.
  • 2 解答(4)
    • a. 患者役割行動とは患者自身が,回復のためにとる行動である.
    • b. パーソナリティーは個人が社会生活を通じて次第に習得していく社会行動への諸傾向を内蔵しており,個人行動と社会行動の結節点である.
    • c. 保健信念モデルは罹患性の認知,重大性の認知,勧められた予防行動をとることの有益性の認知そして,行動をすることに伴う障害の認知の組合せでできている.
  • 3 解答(4)
    • b. 「自己効力感」は望んだ結果を実現するために必要な行動を実行する能力に関する信念である.たとえば,「健康的な食生活を実行する自信」である.個人にとって利益があると思うことではない.
    • c.  代理体験は,モデリングともいい,同じような境遇の人びとが忍耐強く努力して成功するのを見ることで,自分にもできるという信念をもつことである.
    • e.  エンパワーメントという概念は,元は貧困地域や高齢者のみ暮らしている地域の極端にパワーレスな人びとがパワーを獲得していく過程に注目したのが始まりであった.社会を見ると,個人間,職業間,組織間でも一方がパワーレスな思いをもっている状況はいたる所にあり,それを打破して,協働を実現するためである.コミュニティー・エンパワーメントは地域間の権力闘争のことではない.

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3章 栄養教育マネジメント

  • 1 解答(2)
    • a. 栄養マネジメントではなく,栄養アセスメント.
    • b. 計画,実践に加え,対象の実態把握,問題点の発見,指導目標の設定,評価・判定が必要.
    • e. 健康日本21では,目標達成の評価をすることが示されている.
  • 2 解答(3)
    • a. 総合評価ではなく過程評価.
    • b. 総合評価ではなく結果評価.
    • e. 実施者側の視点からの評価とともに,対象からの評価も必要.
  • 3 解答(3)
    • a. 後ろ向き研究ではなく,前向き研究.
    • b. 前向き研究ではなく後ろ向き研究.
    • e. 計画段階において最終段階でどのような方法で結果評価を行うか考えておく必要がある.

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4章 栄養教育のためのアセスメント

  • 1 解答(4)
    • a. 体脂肪量は推定できない.
    • b. 体脂肪量ではなく肥満判定の指標.
    • d. 蛋白質栄養状態の指標ではない.
      (アルブミンは蛋白質栄養状態の指標である)
  • 2 解答(1)
    • b. 目安量法ではなく,24時間思い出し法.
    • d. 秤量法ではなく,陰膳法.
    • e. 24時間思い出し法ではなく,食物摂取頻度法.

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5章 栄養教育計画

  • 1 解答(4)
    • a. 実行できそうな行動目標から取りかかる.
    • b. 指導案の形式にはとくに決まった基準はない.
    • e. 指導案の作成は,具体的な教育をシミュレーションし,綿密に準備するために行う.
  • 2 解答(3)
    • a. おおまかではなく,具体的な教育方法や実施の計画を立てる.
    • d. 知識などの伝達だけでなく,行動変容を通じて健康の保持増進にある.
    • e. 無理のない実行可能なことから順次行う.

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6章  栄養教育の方法

  • 1 解答(5)
    • b. 短時間で全体の意見を知ることができる.
    • c. 講師間の討議はない.
    • e. 学習者が主体的に設定する.
  • 2 解答(1)
    • b. カウンセリングではクライエントに十分話してもらい,言語のみならず,非言語的表現である感情なども含め感じ取ることが大切である.
    • d. 言語的コミュニケーションだけでなく,言語的・非言語的コミュニケーションの両面を通して信頼関係をつくることにある.
    • e. 観察,傾聴,理解,共感ではなく,観察,傾聴,確認,共感の4つである.
  • 3 解答(3)
    • a. 積極的に話しかけるのではなく,急がずクライエントのほうから口を開くまで待つ.
    • c. 質問形式は「how,what,why」で始まる開かれた質問で進める.
    • e. 真正面は最も緊張する位置であるので,120度から90度の角度で座る位置関係がよいとされる.

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7章 栄養教育の実施

  • 1 解答(3)
    • a. 「話す」ことが主体的手段である.
    • c. 効果的である.
    • e. 連携は必要である.

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8章 栄養教育の評価

  • 1 解答(3)
    • a. 一般にマネジメントとは,Plan(計画),Do(実施),See(評価)の3つの過程,またはPlan(計画),Do(実施),Check(評価),Action(見直し,改善,改革)の4つの過程をいう.
    • b. 栄養教育の計画を立てるときは,教育の目標を明確にすることが重要であることから,目標の達成度を評価する評価デザインや指標は同時に考えておく必要がある.
    • e. 糖尿病などの客観的効果は確実に現れるものだが,すぐには現れないため,目標に向かっての食行動の変化が確実に認められなければ栄養教育の効果があったものと評価してよい.むしろ環境を変えただけの一時的な生化学値の変化よりも重要である.
  • 2 解答(e)
    • a. コンプライアンスとは,学習者が指導者の助言や指示に素直に応諾し,行動に移すことである.
    • b. セルフエフィカシーとは,ライフスキルの1つであり,特定の行動を自分自身が行うことができる能力についての知覚である.セルフエフィカシーを高めることが行動変容にとって重要である.
    • c. 疾患への重大性・罹患性(脆弱性)の認識は,食事を含む食生活を改めようとする行動変容に大きく影響するというヘルスビリーフの理論である.したがって,重大性の認識などの乏しい患者への栄養教育の効果は大きいと考えられる.
    • d. 個人の実際の行動は個人の意図のみで決まるものではない.これはプレシード・プリシードの理論である.個人を取り巻く環境要因を包括した栄養教育を行う必要がある.
  • 3 解答(c)
    • a. 無作為割付とは,研究者の恣意や対象者の希望を排除して,特手のそろった集団を設定するために行われる措置であるため,乱数表などの手段を用いてグループ割付を行う.
    • b. 介入群ではなく,コントロール(対照)群に割り付けられる.
    • d. 二重盲検とは,有効成分が含まれたものか,プラセボなのかを,研究者も対象者もわからないようにする措置である.
    • e. 最も信頼性が高い.研究デザインの信頼性は高→低の順に並べると次のようになる.無作為割付臨床試験>前向きコホート研究>コホート内・症例対照研究>症例対照研究>後ろ向きコホート研究>地域相関研究>時系列研究>症例報告.
  • 4 解答(a)
    • b. 影響評価とは短期目標に適用する.知識・態度・価値観・スキル・支援・社会資源の活用などが考えられる.
    • c. 結果評価は中・長期目標に適用する.目標の達成度,QOL,健康などの課題改善度,服薬量の改善,有病率,死亡率などの改善などがあり,総合評価とともに行動変容のステージ,生活習慣の改善,セルフエフィカシー,エンパワーメントの向上などが考えられる.
    • d. 経済評価として,行動変容に費用がかかり過ぎることは効果的ではないが,費用の一部を行動変容者の褒美にすることは効果的な使い方と考えられる.
    • e. モニターは評価を受ける当事者や,第三者であったりする.モニタリングの役割は目標に向かって実施している事項が妥当かどうかを評価することであり,何を,どんな方法で,頻度はどのくらいで,誰がモニターするかという4つの要素をもつ.
  • 5 解答(e)
    • e. 問題文は測定外誤差の説明である.測定内誤差とは,同一測定者においても数回の測定を行うと,測定値がすべて同じというわけではなく,多くの場合,測定結果に誤差が生じることをいう.たとえば,血圧の測定1回目と2回目の違い,など.

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9章 妊娠・授乳期の栄養教育

  • 1 解答(d)

メチオニン

 

B12葉酸

 ホモシステイン

 

B6

 システイン

  • a. ホモシステインとはメチオニンの代謝の過程で生成される硫黄をもったアミノ酸であるが,葉酸・ビタミンB・B12 の不足によって,メチオニンやシステインに代謝されず右図のようにホモシステインの産生が増加するとされる.このホモシステインは酸化される過程で酸素ラジカルを生じ,血管内皮障害,血小板の凝集が血栓を引き起こし,血管を傷害すると同時に,血管壁の平滑筋細胞の増殖や,コラーゲン線維の過剰な合成を引き起こし血管の肥厚,硬化をもたらすとされる,いわゆる動脈硬化を引き起こす原因物質である.そこで血液中のホモシステインを減らすために,ガイドラインでは葉酸・ビタミンB・B・B12の摂取があげられている. 血中のホモシステイン濃度の基準値は,男性8.2〜16.9μmol/ℓ,女性6.4〜12.2μmol/ℓで,女性では閉経後に高値となる.腎不全ではホモシステインの排泄障害も加わり,高くなりやすいとされる.
  • b. 葉酸摂取量は1日1000を超えるべきでないとされている.現在までのところ,葉酸の摂り過ぎによる疾患は見られないが,1日に1000μg以上の葉酸を摂ると,ビタミンB12欠乏症による「巨赤芽球性貧血」という病気を診断しにくくなることが知られているため.
  • c. 肺がんではなく,結腸がんリスクが低減できることが報告されている.アルコール消費量が多く,葉酸とメチオニン摂取量が少ない男性は結腸がんリスクが最も高くなるとされている.
  • e. 妊娠可能な日本人女性の葉酸平均摂取量は,2003(平成15)年国民健康・栄養調査結果によると300μgを下回っており,サプリメントを含む摂取増のための栄養教育が必要である.また,栄養補助食品中の葉酸(Folic Acid)の利用効率は85%,一般食品中の利用効率は50%程度とされているため,日常の食生活のなかで緑黄色野菜の摂取増が望ましいが,困難な場合にはサプリメントなどの使用を考える必要がある.一般食品の吸収率が低いのは,Foliateには複数のグルタミン酸が結合しているので,吸収されるには小腸で分解され,1つのグルタミン酸が結合しているFoliateになる必要があるためとされる.
  • 2 解答(a) 
    • b. 妊娠中の体重増加は非妊娠時のBMIが18〜24の標準妊婦では7〜10 kg増であるが,非妊娠時のBMIが24.0以上では,妊娠中の体重増加は5〜7 kgと厳しい体重管理が必要である.
    • c. 妊娠中の食塩必要量は1日にわずか0.2 gくらい増加する.とくに妊婦・授乳婦時の増加の必要はなく,また最近の論文では極端な食塩摂取過制限は循環血漿量の低下を助長させるので勧められないとされるのもが多く,妊娠高血圧症候群の予防には食塩10 g未満がよいとされ,妊娠高血圧症候群が発症したら食塩7〜8 g程度としている.
    • d. 20〜30%が望ましい.
    • e. 温かい食べ物は吐き気をもよおしやすいので,冷たいものが食べやすい.

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10章 乳幼児期の栄養教育

  • 1 解答(b)
    • a. 牛乳や卵がアレルギー物質である場合,量や回数を減らすことで対応ができる場合もあるが,重篤な場合には含まれる食品を完全除去する.その際には栄養素の不足がないよう代用食品をうまく利用する必要がある.
    • c. アレルギー表示は食品衛生法で義務づけられている.重篤度,症例数の多い5項目(特定原材料)については省令で義務づけられている.症例数が少ないか,あるいは多くても重篤な例が少なく,現時点では科学的知見が必ずしも十分でない20品目(特定原材料に準じるもの,バナナが追加)は,通知によって表示を行うことが推奨されている.
    • d. 容器包装された加工食品および添加物はアレルギー表示の対象となる.流通過程の食品表示も義務づけられている.
    • e. 食物アレルギーの原因食品の特定のために,まず食事日記は重要であるが,特定後も栄養素のバランスを崩さず,子どもが自己でアレルギー物質を認識除去できる力を養う必要性があるため,自己コントロールの指標や仲間づくり,情報の共有・交換の場として,食事日記および親子教室への参加は栄養教育の方法として有用である.
  • 2 解答(d)
    • a. スクロースの消費量とう蝕の発生率には関係がある.
    • b. 口腔内pH 5.6付近になると,歯の脱灰が始まるといわれている.
    • c. ウーロン茶に存在するポリフェノールは,ミュータンス連鎖球菌の酵素GTaseを抑制することにより,スクロースから不溶性グルカンが合成するのを阻害する.
    • e. う蝕を発生するのを予防する最も効果的な方法は,食後歯ブラシなどで機械的に口腔内を清掃して食物を長い間口腔内に停滞させないことと,細菌の塊であるバイオフィルムを除去することである.就寝前の口腔清掃だけではう蝕を予防できるとはいえない.
  • 3 解答(a)
    • a. ステビアは非糖質甘味料.糖アルコールの1種であるキシリトールの摂取により,酸を産生し,耐酸性の細菌フローラ減少させることで,ミュータンス連鎖球菌の数も減り,バイオフィルムも除去しやすくなる.
    • b. シュガーレスガムを噛むとpHの低下が小さくなり,pHの上昇を促進する.
    • c. ビタミンC欠乏症である壊血病の症状に歯肉出血がある.また,結合組織のコラーゲン合成に関係するため,古くから歯肉炎とも関係があるとされている.ビタミンC摂取によって,歯肉結合組織のコラーゲンのバンドが増加したという報告がある.
    • d. 繊維の富んだ食事を摂取することで,よく噛み,刺激唾液量を増加させ,唾液の緩衝作用を促進し,細菌フローラがより増殖しにくい環境を整えていくことになる.
    • e. 歯周病は生活習慣病の1つとしてあげられる.歯周病菌は,口腔清掃不良や,喫煙・ストレス・糖尿病・プラークを増殖させやすい食習慣(甘いもの・軟らかいものが多い)によって増加する.喫煙は,血管を収縮させて歯肉の血行不良を引き起こし,歯周病菌に対する抵抗力を低下させ歯周病を重症化すると考えられている.

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11章 学童期の栄養教育

  • 1 解答(d)
    • a. 思春期のダイエット・やせや生理不順は,骨粗鬆症の原因となる最大骨量および骨密度を低下させる原因となる.
    • b. 乳製品が最も高い.
    • c. クエン酸リンゴ酸カルシウム(CCM)は,腸管におけるカルシウムにクエン酸およびリンゴ酸を配合して水に溶けにくいカルシウムを可溶化し,腸管における吸収を助ける.
    • e. 食品は単一栄養素のみでなく,複合的な栄養素を過剰の問題もなく供給する.できるだけ食事から摂取することが望ましい.日常的な不足状態の有無を食事調査で評価したうえで,食事で補うことが困難な場合においてのみサプリメントを利用することが望ましい.
  • 2 解答(d)
    • a. 促進するのではなく抑制する.したがって,骨粗鬆症の治療を行っている人に対する食物繊維量の指導も合わせて必要である.
    • b. オステオカルシンとは骨芽細胞により合成される蛋白質で,骨折している骨粗鬆症患者は血中ビタミンK(日本人ではとくにK2)が低いといわれており,骨疾患において骨の代謝回転状態を把握する指標である.ビタミンKは,骨量についてはビタミンDとほぼ同様の効果をもつが,オステオカルシンの合成に必須であり,その働きを高める.骨粗鬆症の治療には多量のビタミンK剤が処方されていることから,高齢者に対する栄養指導にあたっては薬剤およびサプリメントの量の把握が必要である.
    • c. 男性ホルモンではなく,女性ホルモン.
    • e. 30歳あたりまでに最大骨量を高めることが望まれ,さらにその後もカルシウムの摂取に気を配る必要がある.
  • 3 解答(e)
    • 実際にはこのような肥満度が高く,合併症のある場合(肥満症)には,入院治療を勧めるほどである.入院治療の場合には消費エネルギーの増加と,小児であっても摂取エネルギーの制限を行う.運動指導に加え,入院中の食事では炭水化物・脂肪制限・高繊維のバランス食となる.外来治療を希望する場合には,肥満に伴う合併症の治療が優先目的で,そのための食事療法の長期継続が何より重要であるため,本人も家族もふだんからこれまでの食生活が問題であったことを認識し,注意していくところから始めるのが望ましい.合併症の治療のため,炭水化物を中心に間食内容の指導と,食事ではごはんの量の減量(必要量は摂取)から第一に指導を開始する.小児期の肥満の判定では,BMIを用いる方法も検討されつつあるが,現在も肥満度=(実測体重−標準体重)÷標準体重×100 (%) を用い,学童期以降は+20%以上を肥満と判定するが,幼児期の肥満は肥満度+15%以上とするので注意が必要である.幼児期は,肥満とやせの判定表・図(成長度判定曲線)を用いる.小児の場合学童期以降についても成長曲線を描いて判定する.
    • 成長曲線の参照;
    • http://rhino.yamanashi-med.ac.jp/sukoyaka/pdf/seityoukyokusen2.pdf
  • 4 解答(e)
    • a. 33%ではなく,55%
    • b. 学校給食の所要栄養基準として決められている栄養素項目は,エネルギー,蛋白質,脂質,カルシウム,ビタミンA,ビタミンB,ビタミンB,ビタミンC,食物繊維,ナトリウム(食塩),マグネシウム,亜鉛の13項目.
    • c. 平成7年の改定ではビタミン類は50〜55%としていたが,平成15年の改定では,ビタミン類は日常の食生活の中で摂取できるようになってきており,基本的には1日の所要量の33%とした.ただし,ビタミンB1は欠乏症になりやすいため40%とし,ビタミンBは牛乳を飲用することにより確保できるため40%とした.
    • d. 29 gではなく24 g.
  • 5 解答(d)
    • a. (財)日本学校保健会「平成10年度児童生徒の健康状態サーベイランス事業報告書」ならびに厚生労働省平成14年国民栄養調査結果による朝食欠食者の割合は,ともに3〜4%程度.
    • b. (財)日本学校保健会「平成10年度児童生徒の健康状態サーベイランス事業報告書」によると,小学3・4年生の朝食欠食の理由は「食欲がない」が最も多く,ついで「朝起きるのが遅いので食べる時間がない」であった.しかし、小学5・6年生では「朝起きるのが遅いので食べる時間がない」が男子50%,女子70%,ついで「食欲がない」であった.朝食欠食と夕・夜食の関係は密接であり,夕食の時間や内容の適否,夜食の有無,塾通いなどいくつかの原因が考えられる.
    • c. 朝食を欠食する者の割合は年々増えており,1975(昭和50)年の朝食欠食者は各年代を通して男女合計6.3%,男性6.7%,女性5.9%であったが,2002(平成14)年では,それぞれ9.7%,11.6%,7.9%と増えており,女性より男性において増えている.最も朝食欠食が多い20歳代の男性は26.5%とされる(平成14年国民栄養調査結果).さらに朝食の習慣化の時期が20代,高校卒業時,中学・高校生,小学生と徐々に低年齢化している(平成9年国民栄養調査結果).
    • e. 子どもの虐待には,身体的虐待・心理的虐待・性的虐待・ネグレクトがあり,なかでもネグレクトが最も多く,半数を占る.朝食欠食,低身長,低体重などの場合にはそのような疑いがないか,総合的な判断が必要である.疑いがあると考えられる場合には担任・養護教諭・校長・校医らとよく相談のうえ,場合によっては児童相談所へ連絡をする.

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12章 思春期の栄養教育

  • 1 解答(e)
    • a. 肥満とは体の中に脂肪が過剰に蓄積した状態をいう.肥満かどうかは体重の重さではなく,体内に占める脂肪の割合で決まる.BMIを用いて肥満と判定された人の7〜8割は,体脂肪も多く明らかな肥満体と見なされる.しかし,残りの2〜3割は筋肉や骨量が多くて体重が多いタイプである.現役のスポーツマンなどによく見られる.
    • b. 幼児期は親から生活習慣の基本を学び取る重要な時期であり,幼児期の高度肥満は難治なので,学童期・思春期に肥満が発症しないように積極的な予防と親への教育が重要である.
    • c. 甲状腺機能亢進症ではなく,甲状腺機能低下症.
    • d.  早食いは満腹感を得にくく,過食につながる.よく噛むことは肥満是正の第一歩である.
  • 2 解答(4)
    • a. スポーツ選手は発汗による鉄損失などから,貧血が多く見られる.
    • b. 食事中は紅茶や緑茶に含まれるタンニンが鉄の吸収を阻害するので,食前食後1時間はやめておくのが望ましい.
    • e. 17歳ではなく19歳.

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13章 成壮年期の栄養教育

  • 1 解答(a)
    • a. わが国では正常値は18.5以上25未満で,BMI25以上を肥満としている.
  • 2 解答(b)
    • a. DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食は果物,野菜,低脂肪乳製品を多く含み,飽和脂肪酸や総脂肪酸が少なく,赤身肉,菓子,砂糖を含んだ飲科水などを制限し,カリウム,カルシウム,マグネシウム,繊維質,蛋白質に富んだ食事のことである.減塩だけでも血圧を低下させることは認められているが,DASH食と減塩の併用は血圧だけでなく,血中LDLコレステロール値やホモシステイン値(心疾患リスク)も低下させる.
    • 1)

      特定保健用食品の分類

      2)

      コレステロールが高めの人の食品

      3)

      血圧が高めの人の食品

      4)

      血糖値が気になり始めた人の食品

      5)

      ミネラル(カルシウム,鉄)の吸収を助ける食品

      6)

      食後の血中の中性脂肪を抑え,体脂肪をつきにくくする食品

      7)

      虫歯になりにくい食品

      c. オリゴペプチドは血圧を上昇させるアンギオテンシン喫儡更攸任料乏穏醉僂鬚發鎚質として特定保健用食品「血圧が高めの人の食品」に含まれる.
    • d. ナトリウムを含むので過剰の摂取には注意が必要である.
    • e. 肥満者は高血圧症罹患率が高いため,肥満は危険因子であるといえる.肥満者,とくに内臓脂肪型肥満者に対する栄養指導が必要である.メタボリックシンドロームとは,過食や運動不足によって内臓脂肪が蓄積し,高血圧症,高脂血症(コレステロールやトリグリセリドの高値),糖尿病(インスリン抵抗性)など複数の生活習慣病を合併する状態を呼び,高尿酸血症も合併しやすい.これらの病気はお互いが密接な関係をもって発生しており,多く合併するほど動脈硬化を促進して脳梗塞や心筋梗塞などを何十倍も起こしやすいという考え方である.
  • 3 解答(3)
    • a. 健康と体力に自信のあるこの時期は,仕事中心の生活リズムや食生活への配慮が疎かになるので,生活習慣病のリスクファクターは増加する.
    • c. 男性90 cm,女性85 cm以上ではなく,男性85 cm,女性90 cm以上.
    • e. 一律20%以上25%未満ではない.
  • 4 解答(5)
    • a. BMI 26以上ではなく,25以上.
    • b. 男性50 mm以上,女性40 mm以上ではなく,男性40 mm以上,女性50 mm 以上.
    • d. 3〜4 kgではなく,1〜2 kg.
  • 5 解答(1)
    • b. 食塩も含んだ,5項目.
    • d. 亜鉛,銅,マグネシウムの3種類.
    • e. 昼食の外食率で最も高率な年齢層は,男性30歳代,女性20歳代である.

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14章 高齢者,障害者の栄養教育

  • 1 解答(5)
    • a. 味覚閾値が低下する,ではなく味覚閾値が上昇する.
    • b. ADLは,高齢者の障害の程度を測定する尺度.
    • e. 蛋白質エネルギー比率は,18〜69歳は20%未満,70歳以上は25%未満で,成人の1.5倍にもならない.
  • 2 解答(4)
    • a. 介護食においては,最近では食材の大きさより硬度が問題となり,刻み食よりも「ソフト食」や「つぶし食」が重視されるようになってきた.
    • c. 欧米でも日本でも,高齢期の認知障害は,脳血管性のものよりアルツハイマー型のほうが多い.
    • d. 障害をもった人にも特別扱いせず,平等・対等に受け入れ,支援に必要な環境を整える.
  • 3 解答(4)
    • a. 褥創ケアは,全身の栄養管理,スキンケアの局所管理と減圧・除圧管理の3つをあわせて実施する.
    • c. 60歳ではなく80歳.
    • d. 食事姿勢は,体幹30度仰臥位,頚部を前屈,麻痺のあるときは,麻痺側の肩に枕をあて,健康な側をやや下にした軽度仰臥位にする.介助者は健康な側から介助する.

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15章 食環境づくりと栄養教育・栄養指導

  • 1 解答(e)
    • e. 組合せ食品のほか,単一食品があり,低ナトリウム食品,低カロリー食品,低蛋白質食品, などが含まれる.
  • 2 解答(e)
    • a. 健康増進法では,食品として販売されている物について,健康の保持増進の効果などに関し, 著しく事実に相違する,著しく人を誤認させるような広告などの表示を禁止している.
    • b. 1992年ではなく1990年.
    • c. 外食についての栄養成分表示は,各都道府県単位の栄養士会で委託指導している.
    • d. 食の外部化は,食品産業の発達や国民の食生活に対する意識の変化により,外食,加工食品の利用が増え,進行している.
  • 3 解答(e)
    • e. ヘルシーメニューとは,人びとが健康増進や生活習慣病の予防を実践し,生活の質の向上を図るのに役立つバランスのとれた料理や食事の総称で,国として統一された基準はない.

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16章 栄養教育の国際的動向

  • 1 解答(e)
    • a. 先進諸国で肥満は増加している.
    • b. BMI 25以上を肥満と定義しているのは日本のみである.
    • c. 先進諸国においても低栄養に相当する事例が広範に認められる.いわゆる家庭崩壊による子どもの低栄養である.
    • d. 小児肥満も増加傾向にあるため,小児を対象としたプログラムが計画されている.
  • 2 解答(b)
    • a. 先進諸国だけではなく,各国で作成されている.
    • c. わが国の食生活指針は1985年に「健康づくりのための食生活指針」として初めて作成され,1990年に対象特性別が,そして2000年に「新しい食生活指針」がだされている.アメリカのような5年ごとの改定ではない.
    • d. アメリカの食生活指針は1977年,マクガバンの指揮のもとに策定された「合衆国のための食生活目標」である.そして,1980年の第1版へと続く.
    • e. フードガイドは一般に2歳以上の人,および糖尿病や心疾患を抱えた人に対しても展開できるよう作成されている.
  • 3 解答(e)
    • a. 開発途上国でも食生活を含めた生活習慣の急激な変化により,一方で肥満が増加している.
    • b. 開発途上国の低栄養の問題はPEMだけでなく,微量栄養素の欠乏症が蔓延している.
    • c. 開発途上国で欠乏している微量栄養素はヨード・鉄・亜鉛・ビタミンAがおもで,先進諸国で急増しているサプリメントは単一ビタミン剤(ビタミンB・C・Eなど),および総合ビタミン剤で,これでは解決しない.
    • d. 低栄養改善のための食物ベースのアプローチは,費用効率が最も高い.
 

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