エキスパート管理栄養士養成シリーズ
食べ物と健康 3

問題の解答と解説

2章 食品保存の目的と原理

  • 1.解答(2)
    • 解説
      • a.非常に特殊な微生物を除いて,微生物は水分活性0.6以上で増殖できる.
      • b.水分活性が低くなるほど化学反応や酵素反応は遅くなり,食品の品質の劣化は遅くなる.
      • e.釣り鐘型ではなく,シグモイド型になる.
  • 2.解答(5)
    • 解説
      • c.パスツリゼーションの温度は,62〜65°Cで,時間も30分間である.
      • d.クリマクテリックライズを抑制するには,酸素濃度を減少させ,二酸化炭素濃度を上昇させなければならない.
      • e.日本ではほとんど使われないが,北海道でじゃがいもの発芽止めのために使われている.
    • 選択肢に間違いがあります.(2)はbとd,(4)はaとcです.お詫びいたします.

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3章 食品加工の目的と原理

  • 1.解答(5)
    • 解説
      • a.ブランチングの説明である.
      • b.ブランチングではなく,火入れの説明である.
      • c.紅茶など発酵茶の説明である.
  • 2.解答(4)
    • 解説
      • a.牛乳やしょうゆなど粘性の低い液体の乾燥は噴霧乾燥(スプレードライ).
      • b.粘性の高い卵白やパルプ分の多い果物のペーストなどの乾燥は泡沫層乾燥(フォームマットドライ).
      • e.市販のインスタントラーメンは油熱乾燥法のほか,熱風乾燥(ノンフライ)や凍結乾燥(フリーズドライ)でつくられている.
  • 3.解答(1)
    • 解説
      • c. 海水からの食塩濃縮や乳児用調製粉乳のためのチーズホエーの脱塩は電気透析法による.
      • d.タンニンの不溶化により渋味を呈しないようにしたもの.
      • e.豆腐は豆乳ににがり(塩化マグネシウム)やすまし(硫酸カルシウム)を加える.
  • 4.解答(1)
    • 解説
      • c.水溶性のビタミンCを加える.
      • d.みそやしょうゆの製造はコウジカビ,テンペがクモノスカビ.
      • e.納豆菌は細菌.
  • 5.解答(2)
    • 解説
      • a.食酢は酢酸菌により生じた酢酸.
      • d.バイオリアクターの説明.キュアリングとはじゃがいもを20℃に保存し,いもの代謝作用によって遊離糖を減らす処理.
      • e..ブドウ糖液をイソメラーゼ(異性化酵素)で処理して得られるのは異性化糖,ショ糖の分解により生成するのが転化糖.
  • 6.解答(2)
    • 解説
      • c.ビール製造時には大麦.
      • d.甘味は高くなる(グルコースとガラクトースになるため)が,栄養価は変わらない.

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4章 植物性食品素材加工

  • 1.解答(4)
    • 解説 問題文は「正しいものの組合せ」ではなく,「誤っているものの組合せ」です.訂正いたしますとともにお詫びいたします.
      • c.インド型もち米ではなく,インド型うるち米である.
      • d.冷や麦は小麦の加工である.
  • 2.解答(4)
    • 解説
      • a.小麦には春小麦と冬小麦がある.
      • c.製パン用として最適である.
      • d.製パン用に適した小麦である.
  • 3.解答(2)
    • 解説
      • a.普通中力粉が用いられる.
      • c.手延べそうめんはひねりのばす方式,うどんは線切りする方式である.
      • e.そば粉混入率30%以上である.
  • 4.解答(5)
    • 解説
      • a.いくつかのデンプン粒がまとまって包まれている.
      • b.タンパク質の周囲にデンプン粒がある.
      • c.酸溶液ではタンパク質は凝固するので使用できない.水がよい.
  • 5.解答(3)
    • 解説
      • a.豆腐製造用の豆乳と豆乳飲料とは別物である.
      • d.凍結変性させて一度冷凍するので,凍結乾燥食品ではない.
      • e.がんもどきは二度揚げする.
  • 6.解答(2)
    • 解説
      • b.冷凍法の方が味は染みやすい.
      • c.比重に影響するのはグルコマンナン.
      • d.褐変の原因は還元糖.
  • 7.解答(2)
  • 8.解答(4)
  • 9.解答(3)
  • 10.解答(4)
  • 11.解答(3)
    • 解説
      • a.テトロドトキシンはふぐの卵巣や肝臓に含まれる毒素である.
      • c.エルゴステロールは紫外線照射によりビタミンD2に変わる.
      • e.アトウォーターの係数より算出した値に0.5を乗じたものを表示している.
  • 12.解答(3)
    • 解説
      • b.香気成分はレンチオニンである.
      • c.人口栽培され市販されているのは,ぶなしめじである.
      • e.毒きのこを摂取した場合の症状については4.6.14項参照.レンチオニンはしいたけの香気成分である.

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5章 畜産食品素材加工

  • 1.解答(3)
    • 解説
      • a. 屠殺直後は死後硬直を起こしているため肉は硬く、保水性や結着性が劣り、食味は悪く、 加工には向かない。
      • c. 肉色を保持するために用いられるのは亜硝酸塩である。
      • e. コラーゲンやエラスチンのような肉基質タンパク質にはこの性質がない。肉漿タンパク質の線維状タンパク質であるミオシンやアクチン、アクトミオシンにこの性質がある。
  • 2.解答(4)
    • 解説
      • a. JASによる食肉加工品はベーコン類、ハム類、プレスハム類、ソーセージ類、混合製品に分類されている。
      • b. 燻煙には樹脂成分の少ない木材を利用する。
      • e. JASで合成保存料の使用を認めていないのは、骨付ハムとラックスハムである。
  • 3.解答(3)
    • 解説
      • a.マヨネーズは乳化.
      • c.茶碗蒸しは熱凝固、
      • d.ソーセージの製造には、卵白の熱凝固性を利用した結着剤として卵白液が添加されることが多い.
      • e.オムレツは熱凝固を利用している.
  • 4.解答(1)
    • 解説
      • b. 卵白タンパク質の加熱凝集体の形態は,形成されるときのpHや塩濃度などの溶媒環境によって大きく変化する.
      • c.泡沫安定性に優れているのは卵白で,卵黄のそれは乏しい.
      • e. 乳化剤として働いているタンパク質の親水性が高いため,形成されるのはほとんどどが水中に細かい油滴が分散した水中油滴(O/W)型エマルションである.
  • 5.解答(1)
    • 解説
      • c. 牛乳は,何もくわえてはいけないし,除いてもいけない,成分無調整である.
      • d. 脂肪の吸収率を高めるために,脂肪球を細分化する工程である.
      • e. 乳脂肪分や乳固形分を加えたものである.
  • 6.解答(4)
    • 解説
      • b. 1950年ごろ以降.
      • c. 殺菌乳酸菌飲料も乳酸菌飲料と称してよい.
      • e. レンネットはカゼインに作用し,カゼインミセルを破壊するため.

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6章 水産食品素材加工

  • 1.解答(4)
    • 解説
      • a.ふり塩漬けは魚体に直接固体の食塩を散布する方法である.
      • b.立塩漬けは魚体を食塩水中に浸漬する方法である.
      • d.かたくちいわしの塩蔵品である.
  • 2.解答(1)
    • 解説
      • c.なまこの腸の塩辛である.
      • d.うるかはあゆを原料とした塩辛である.
      • e.はたはたやいわしを原料とした魚しょうはしょっつるである.いしるの原料はいかである.
  • 3.解答(1)
  • 4.解答(5)

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7章 油脂類,甘味料,調味料,香辛料

  • 1.解答(3)
    • 解説
      • b.マーガリンではなく,ショートニングの製造を説明したものである.
      • c.アブラナの種子から採取した油である.
      • d.ショートニングではなく,マーガリンの製造を説明したものである.
  • 2.解答(4)
    • 解説
      • a.上白糖はくるま糖.
      • b.グラニュー糖はざらめ糖.
      • d.代表的な含蜜糖には黒砂糖がある.
  • 3.解答(4)
    • 解説
      • a.酵母からRNAを分離してつくる.
      • c.ウスターソースの製造については,p.130参照.
      • e.うま味を増強する相乗効果がある.
  • 4.解答(4)
    • 解説
      • b. ローレル,クローブ,コリアンダーなどは矯臭作用.
      • c. ビーンズの名がつくが,ラン科の植物でその果実(さや)を発酵させて用いる.
      • d. 白こしょうは完熟果実の外皮を除いて乾燥したもの,黒こしょうは未熟果実である.
  • 5.解答(2)
    • 解説
      • c. ターメリック(うこん)の黄色色素はクルクミン,クロシンはサフランの黄橙色素.
      • d. パプリカはとうがらしの一種であるが辛味はない.

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8章 嗜好飲料

  • 1.解答(1)
    • 解説
      • c.ウーロン茶は代表的な中国茶で,酸化酵素の作用時間を発酵茶の半分程度に抑えた半発酵茶である.
      • d.製茶における発酵とは,微生物の働きを利用することではなく,茶葉に含まれる酵素を利用することをいう.
      • e.ほうじ茶は番茶を焙じてつくる不発酵茶である.
  • 2.解答(4)
    • 解説
      • a.ココアは,カカオ豆を 炒,アルカリ処理,脱脂,粉末化してつくる.カカオバターはチョコレートの原料となる.
      • b.コーヒーの放つ香りはカフェロールによる.クロロゲン酸はコーヒーの色調に関与する成分である.
      • e.グルコースイソメラーゼは異性化糖の製造に用いられる.果汁の清澄化にはペクチナーゼが利用される.

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9章 発酵食品 

  • 1.解答(4)
    • 解説
      • a.酒類はアルコール(エタノール)を1%以上含むものをいう.
      • c.ワインは,ぶどう果汁中の糖を,ワイン酵母によって直接アルコール発酵する単発酵酒である.
      • e.清酒は米デンプンの糖化とアルコール発酵が同時に進行する並行複発酵酒である.
  • 2.解答(5)
    • 解説
      • a.しょうゆの製造には大麦ではなく炒った小麦を用いる.
      • b.米酢は麹カビと酵母の働きでアルコールを生成し,これを酢酸菌によって酸化発酵させて製造する.
      • c.麹は米,麦,大豆などに麹カビを接種して繁殖させたものである.

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10章 特別用途食品と保健機能食品

  • 1.解答(2)
    • 解説
      • b.特定保健用食品にはこれらはは含まれない.
      • d.保健機能食品は2001年4月よりスタートした.
      • e.栄養機能食品と称して販売するには、食品衛生法による規定満たしていれば許可申請や届け出の必要はない.
  • 2.解答(5)
    • 解説
      • a.特別用途食品の許可証標にはそれぞれの用途を記載したものが使われる.
      • b.特定保健用食品の中には摂りすぎると身体に問題を引き起こすものがある.
      • c.整腸作用が期待される成分は難消化性オリゴ糖、食物繊維、ビフィズス菌などで、カルシウム、鉄、ペプチドは別の作用が期待される成分である.

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11章 規格・表示・強調表示

  • 1.解答(3)
    • 解説
      • a. 品質表示基準(JAS)・食品衛生法による。
      • c. 食品衛生法による。
      • e. 食品衛生法による。
  • 2.解答(3)
    • 解説
      • a. 小麦でなく綿実.
      • c. 大豆でなく小麦.
  • 3.解答(3)
    • 解説
      • a. 保健機能食品には特定保健用食品と栄養機能食品があり、後者は健康強調はできない。
      • 成分強調表示が可能。
      • c. あくまでも疾病治療の表現はできない。改善、助ける、軽減するなどの表示。
      • e. 健康増進法(旧栄養改善法)において規定されている。
  • 4.解答(5)
    • 解説
      • b. 内閣府に所属する。食品安全に関する事項を審議し、その措置の仕方を関係大臣、政府の勧告する。また、製造者や消費者、行政の間の意思の疎通を図り、リスクコミニュケーションを円滑に行うことを業務とする。
      • c. 国際貿易にも関係するが(本来はOECDの業務)食品安全の全般に関わる国際的規格つくりを行うことを業務とする。 
      • d. 食品製造業の製造現場において衛生管理の業務に携わる。

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12章 加工食品の安全性

  • 1.解答(4)
    • 解説
      • a.LL牛乳などであるが,とくに安全性をおびやかす可能性のある食品ではない.
      • c.冷凍食品は汎用されており,安全性をおびやかす可能性のある食品ではない.
      • d.ジャムや果汁などがあるが,安全性をおびやかす可能性のある食品ではない.
  • 2.解答(1)
    • 解説
      • b.HACCPシステムは乳・乳製品の製造施設で最も多く承認を受けている.
      • 12章 2番のdの解説が間違っておりました.お詫びいたしますとともに,下記のように訂正いたします.
      • d.HACCPが導入される以前の方法では,各ロットから一つのサンプルを代表として検査していた.この方法では,他のサンプルがチェックされていない.HACCPでは,製品の製造工程において,各段階で危害が紛れそうな可能性について分析し,重要なチェックポイントを通過しているか監視する.従来の方法と比べると,HACCPによるとかなり安全な製品ができあがることとなる.
      • e.原材料がすでに汚染されている場合は食中毒を防止することは困難である.
  • 3.解答(2)
    • 解説
      • b.食品の流れを消費段階から生産段階までさかのぼって明らかにすることである.
      • c.製造工程の改善では解決しない.回収が容易にできる.
      • e.現在はまだ制度化されていない.

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